2012年04月25日

基本手当

法律用語のハナシで雇用保険とは何か?ということについてお話しましたが,今回から具体的な給付の種類などについてご説明します。
今日は「基本手当」についてです。これは,何らかの理由により離職した雇用保険の被保険者が,失業中の生活を心配せず,1日も早く再就職をするために支給されるものです(いわゆる失業保険です)。

基本手当の所定給付日数(基本手当を受給することができる日数)は,離職日における年齢,雇用保険の被保険者であった期間,離職の理由などによって,90~360日の間で決められます。特に,倒産や解雇などにより,再就職の準備をする時間的な余裕がなく離職を余儀なくされた方などについては,一般の離職者に比べ手厚い給付日数となる場合があります。

基本手当受給の要件は,以下の通りです。
@ハローワークに来所し,求職の申込みを行い,就職しようとする積極的な意思があり,いつでも就職できる能力があるにもかかわらず,本人やハローワークの努力によっても,職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
A離職の日以前2年間に,被保険者期間が通算して12か月以上あること。ただし,特定受給資格者または特定理由離職者については,離職の日以前1年間に,被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。

受給期間は,離職日の翌日から1年間ですが,その間に病気・けが・妊娠・出産などの理由により引き続き30日以上働くことができなくなったときは,その働くことのできなくなった日数だけ受給期間を延長することができます。なお,自己都合で退職された場合など,離職理由によっては,待期期間満了後3か月間は基本手当が支給されません。

最後に支給額ですが,雇用保険で受給できる1日当たりの金額を「基本手当日額」といいます。基本手当日額は,離職した日の直前の6ヶ月に毎月きまって支払われた賃金(賞与は除く)の合計を180で割って算出した金額(=賃金日額)のおよそ50〜80%(60歳〜64歳については45〜80%)となっており,賃金の低い方ほど高い率となります。
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2012年05月02日

技能習得手当

技能習得手当とは,受給資格者が,公共職業安定所長が指示する公共職業訓練等を受講する場合に,基本手当とは別に受けられるものです。
技能習得手当には,「受講手当」「通所手当」の2種類があります。

「受講手当」が支給されるのは,基本手当の支給対象となる日のうち公共職業訓練等を受けた日で,受講手当の日額は500円です。
また,平成24年4月1日以降の職業訓練を受講した場合は,受講手当に上限(20,000円)が適用されます。

「通所手当」とは,受給資格者が公共職業訓練等を行う施設へ通うために,交通機関・自動車等を利用する場合に支給されます。
通所手当の月額は通所方法によりますが,上限は42,500円です。支給対象にならない日がある月は,日割りで減額して支給されます。

技能習得手当を受給するには,「公共職業訓練等受講届」及び「公共職業訓練等通所届」を管轄のハローワークへ提出した上で,失業認定日に再度ハローワークに出向き,「公共職業訓練等受講証明書」を提出する必要があります。
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2012年05月08日

寄宿手当

寄宿手当は,受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために,家族と別居して寄宿する場合に支給されます。
なお,この場合の「家族」とは,「その者(=受給資格者)により生計を維持されている同居の親族」のことをいいます。
また,婚姻の届出はなくとも,事実上,その者と婚姻関係同様の事情にある者も「家族」とします。

対象となる期間は,公共職業訓練等を受けている期間のうち,上記家族と別居して寄宿していた期間であり,寄宿手当の月額は10,700円です。
通所手当と同様に,支給対象にならない日がある月は,日割りで減額して支給されます。
受給手続の方法は,技能習得手当(受講手当・通所手当)と同様です。
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2012年05月10日

傷病手当

ハローワークに行って求職の申込みをしたあと,病気やけがにより就業できなくなった場合に支給される手当です。
傷病手当は,病気やけがにより就業できなくなった日数によって支給内容や方法が変わってきますので,それについてご説明します。

・14日以内
基本手当が支給されます。医師の診断書をハローワークへ提出する必要があります。
・15日〜30日未満
→基本手当の代わりに傷病手当が支給されます。
・30日以上
→傷病手当をもらうか基本手当受給期間を延長するか(最大4年まで)を選択できます。

なお,傷病手当の支給額は基本手当と同じです。
傷病手当受給の申請手続は,病気やけがが治ったあとの最初の認定日までに,基本手当の受給期間延長については,病気やけがが治った翌日から1ヶ月以内にしなければなりません。

また,傷病手当が支給されない日は以下の通りです。
・基本手当が支給される日
・待期期間中の日
・給付制限期間中の日
・傷病手当金(健康保険)や休業補償(労災保険)が支給される日
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2012年05月14日

高年齢求職者給付金

雇用保険の被保険者のうち,同一の事業主に,65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以降において雇用されている人(短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者を除く)のことを高年齢継続被保険者といいます。
高年齢継続被保険者の方が失業した場合は,一般の被保険者と異なり,被保険者であった期間に応じて「高年齢求職者給付金」が支給されます。

受給要件は以下の通りです。
@離職により資格の確認を受けたこと
A労働の意思および能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態にあること
B算定対象期間(原則は離職前1年間)に被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること

高年齢求職者給付金は,資格の確認後,失業認定を行った日に支給決定がなされ,支給は1回限りとなります。
支給額は,被保険者期間が1年未満であれば基本手当日額の30日分,1年以上であれば基本手当日額の50日分です。
なお,受給期間は離職日の翌日から1年以内です。
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2012年05月16日

特例一時金

特例一時金とは,季節的に雇用されている方など1年未満の雇用形態を繰り返す「短期雇用特例被保険者」に対して給付されるものです。
受給の要件は,短期雇用特例被保険者であって,かつ以下の条件を満たしている場合に支給されます。
@離職により資格の確認を受けたこと
A労働の意思および能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態にあること
B算定対象期間(原則は離職前1年間)に被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること

特例一時金は,資格の確認後,失業認定を行った日に支給決定がなされ,支給は1回限りとなります。
支給額は,短期雇用特例被保険者を一般の被保険者とみなして計算した基本手当日額の30日分です(当分の間は暫定措置で40日分です)。
なお,受給期間は離職日の翌日から6ヶ月以内です。
ただし,失業認定日から受給期限日(離職日の翌月から6ヶ月)までの日数が30日未満(当分は40日未満)の場合は,その日数分のみしか支給されませんので注意しましょう。
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2012年05月18日

日雇労働被保険者

今回は,日雇労働被保険者についてお話します。
まず日雇労働者とは,「日々雇用される者」または「30日間以内の期間を定めて雇用される者」のことをいいます。
日雇労働者のうち,下記の要件のいずれかに該当する者が日雇労働被保険者となります。
@適用区域に居住し,適用事業に雇用される者
A適用区域外に居住し,適用区域内の適用事業に雇用される者
B適用区域外に居住し,適用区域外の適用事業で,日雇労働の労働市場の状況その他の事情に基づき,厚生労働大臣が指定した者に雇用される者

@〜Bに該当しない日雇労働者であっても,適用事業に雇用される場合は,ハローワークへの申請により許可を受ければ被保険者になることができます。
なお,直近2ヶ月の各月に同一事業主に18日以上雇用された場合は日雇労働者には該当せず,一般の被保険者となります。

上記要件に該当する日雇労働者は,その要件に該当するに至った日から5日以内にハローワークに届出をします。これにより日雇労働の実態があるなど日雇労働被保険者であることが確認されれば,日雇労働被保険者手帳が交付されます。
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2012年05月22日

日雇労働求職者給付金(普通給付T)

前回お話した日雇労働被保険者の方が失業した場合については,一般の被保険者の受給制度とは異なり,「日雇労働求職者給付金」が支給されることになります。
まず,日雇労働被保険者の方がしなければならないのは,仕事があるときはその都度,事業主に日雇労働被保険者手帳を提出することです。事業主はこれを受けて,日雇労働被保険者に賃金を支払う度に,労働日数に相当する枚数の雇用保険印紙を日雇労働被保険者手帳に貼っていきます。
日雇労働求職者給付金の種類は,「普通給付」「特例給付」に分かれますが,普通給付は,失業の日の属する月の前2ヶ月間に,雇用保険印紙が通算して26日分以上ある場合に支給されます。
日雇労働求職者給付金の日額や給付日数は,この印紙保険料を納めた日数や金額により上下します。

まず,印紙保険料の種類について先に説明しておきます。
・第1級印紙保険料(賃金日額11,800円以上)
→176円
・第2級印紙保険料(賃金日額8,200円以上11,800円未満)
→146円
・第3級印紙保険料(賃金日額8,200円未満)
→96円

これをもとに日雇労働求職者給付金の日額を算定します。日額は定額制であり以下の3種類に分けられます。
・第1級給付金(第1級印紙保険料が24日以上納付されているとき)
→7,500円
・第2級給付金(第1級印紙保険料+第2級印紙保険料が合計して24日分以上納付されているとき。もしくは第1級,第2級,第3級の順で選んだ24日分の平均額が第2級印紙保険料の日額以上のとき)
→6,200円
・第3級給付金(上記以外)
→4,100円

次回は給付日数と手続の仕方についてお話します。
posted by テッキー at 13:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用保険関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月24日

日雇労働求職者給付金(普通給付U)

前回の続きです。今回は,普通給付の給付日数からお話します。
給付日数は,失業の日の属する月の前2ヶ月間に,日雇労働被保険者手帳に貼付された雇用保険印紙の枚数によって,以下のように定められています。
<印紙枚数>   <支給日数>
・26日〜31日分  →13日
・32日〜35日分  →14日
・36日〜39日分  →15日
・40日〜43日分  →16日
・44日分以上    →17日

普通給付を受けるには,ハローワークへ行き日雇労働被保険者手帳を提出した上で,失業の認定を受けなければなりません。
失業の認定は日々,その日において行われ,認定を受けた日分の給付金が支払われます。
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2012年05月28日

日雇労働求職者給付金(特例給付T)

前回までは,普通給付についてお話しましたので,今回は「特例給付」についてです。
特例給付は,日雇労働被保険者の方が失業した場合に,以下の条件のいずれにも該当するときに支給される給付金です。
@継続する6ヶ月間(基礎期間といいます)に,印紙保険料を各月11日分以上,かつ通算して78日分以上納付している。
A基礎期間のうち後の5ヶ月間に,普通給付または特例給付による日雇労働求職者給付金の支給を受けていない。
B基礎期間の翌月以後2ヶ月間に,普通給付による日雇労働求職者給付金をの支給を受けていない。

特例給付の日額も,普通給付と同様に定額制で定められています(印紙保険料の種類・金額については普通給付の記事を参照)。
・第1級給付金(第1級印紙保険料が72日分以上納付されているとき)
→7,500円
・第2級給付金(第1級+第2級印紙保険料が合算して72日分以上納付されているとき。もしくは第1級,第2級,第3級の順に選んだ72日分の印紙保険料の平均額が第2級印紙保険料の印紙額の日額以上のとき)
→6,200円
・第3級給付金(上記以外)
→4,100円

次回に続きます。
posted by テッキー at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用保険関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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