2012年02月06日

休日

休日とは,「使用者の指揮命令から完全に解放されて労働義務を負わない事ことが保障されている日」です。
労働基準法では,週に少なくとも1日の休日を与える週休制を原則としています(例外として4週で4日以上の休日を与える方法もあります)。
また,休日は「歴日」(午前0時から午後12時まで)で付与されなければなりません。
ですから例えば,午前8時から翌日の午前8時まで働いて,翌日は午前8時から翌日の午前8時まで非番という交替制勤務の場合は,この非番の継続24時間は休日とは認められません。
よって非番日の翌日に,さらに暦日の休日を与えなければならないとされています。

ただし,8時間3交代制勤務の場合は,歴日休日制の原則を適用すると1週間に2歴日の休暇を与えなければならなくなるため,例外的に継続24時間の休息で1回の休日とすることを認めています(条件として,@番方編製による交替制によることが就業規則等により定められており,制度として運用されていることA各番方の交替が規則的に定められているものであって,勤務割表によりその都度設定されるものでないこと,が必要です)。
posted by テッキー at 13:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月08日

休日振替

業務の都合によっては,どうしても休日に労働せざるを得ないことがあります。
そのような場合に,休日と労働日を入れ替えることを「休日振替」といいます。
また,振替の結果,休日とされた日のことを「振替休日」といいます。

休日振替の要件としては,
@休日振替の必要性が存在すること
A就業規則等で休日振替の具体的事由・方法を定めていること
B振替休日を事前に特定していること
などが挙げられます。

ただし,休日振替を行っても,週1日の休日は与えなければなりません。
ですから,休日振替をする際は,同じ週に振替休日を置かなければならないのです。
また,振替によって週法定労働時間(40時間)を超えてしまった場合は,時間外労働として割増賃金の支払対象となります。
例えば,所定労働時間8時間・土日週休二日制の会社で,日曜日に出勤した場合は,その週の月〜金のどれかを振替休日としなければなりません。しかし振替休日が翌週になってしまうと週48時間労働となり,8時間は時間外労働として計算されます。
posted by テッキー at 14:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月10日

代休

「休日振替」と似たものに「代休」があります。
これは,休日労働を行わせた代償措置として,後日,別の労働日の労働義務を免除することです。
「休日振替」は,一定の条件を満たした上で事前に休日が変更されるのに対し,「代休」は実際に休日労働を行わせた後に,事後に与える休暇です。
また,代休を付与したとしても,休日労働が行われたという事実はなくなりませんので,当然に割増賃金は発生します。
ただ,実務上ここで注意すべきなのは,休日労働した丸1日分の賃金が支払われる訳ではなく,代休取得により消滅した賃金請求権を差し引いた割増部分のみが支払われる,ということです。
例えば,時給1,000円で8時間休日労働し,後日代休を取ったとします。
単なる休日労働であれば,
1,000円×1.35(法定休日労働)×8時間=10,800円となりますが,
後に代休を取った場合は,
1,000円×0.35(法定休日割増部分のみ)×8時間=2,800円が給与に加算されるということです。
(もし代休日の賃金をカットしない規定があれば,それに従います。)

ただし,そもそも労働基準法では代休の付与を要求しておりませんので,使用者は就業規則などで規定がない限り,代休を与えなくても構わないとされています。
このように,「休日振替」と「代休」には違いがありますので混同しないようにしましょう。
posted by テッキー at 10:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月14日

年次有給休暇

今回は,休む権利でもお話した年次有給休暇についてです。
使用者は,労働者が「6ヶ月間継続勤務」と「全労働日の8割以上出勤」の2つの条件を満たした場合に,向こう1年間について一定日数以上の休暇を与えなければなりません。
この2つの条件についてですが,「6ヶ月継続勤務」とは,いわゆる在籍していればよいということであり,休業中や休職中であっても継続勤務となります。
「全労働日の8割以上の出勤」の「全労働日」とは,「所定労働日」を意味します。
そして,「出勤」については,業務上の負傷または疾病により療養のために休業した期間,育児休業・介護休業・産前産後の休業期間も「出勤」として扱われます。

また,年次有給休暇の取得単位は1日ですので,労働者が半日もしくは時間単位の請求をした場合,使用者は,法律上それに応じる義務はありませんが,任意に応じるのは問題ありません。ただしその場合は,労働者にも分かりやすいよう,半日休暇・時間単位休暇を認める就業規則などを定めておくのが望ましいでしょう。

ちなみに,年次有給休暇の付与日数については勤続年数によって異なりますのでコチラをご参照下さい。
posted by テッキー at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月16日

未取得の年次有給休暇

年次有給休暇を取る権利は,権利が発生した日から2年有効です。
ですから,年次有給休暇の翌年度までの繰り越しは認められますが,2年経過すると時効により消滅してしまいます。
年次有給休暇使用の順番として,前年度の繰り越し分と当年度の分がある場合は,労働者としては時効にかかりそうな年次有給休暇から使いたいはずですので,本人から特に申出がなくても,使用者は古い年次有給休暇から消化するよう取り扱うのが通常です。
また,結果的に取得できず失効してしまう年次有給休暇がある場合には,使用者が労働者に対して,失効する年次有給休暇に応じて手当を支給するのは違法ではありません(ただし,年度の最初に年次有給休暇を買い取り,休暇日数を減らすことなどということは許されません)。

最後に,退職時に年次有給休暇が残っている場合ですが,労働者が残っている年次有給休暇を退職日までの勤務日に充てたいと言えば,使用者はそれに応じる必要があります。
しかし,引き継ぎなどの期間も必要ですので,使用者と労働者とが相談の上,退職日を調整する,もしくは消化しきれない年次有給休暇については買い取りをする,といった対応をするのが望ましいと言えます。
posted by テッキー at 14:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月19日

代替休暇

平成22年の労働基準法改正により,1ヶ月の法定時間外労働が60時間を超える場合の割増率が,これまでの25%から50%へアップしました(ただし,中小企業においては当面の間猶予されます)。
これに伴い,引上げ分の割増賃金を支払う代わりに,年次有給休暇とは別の「代替休暇」を付与することが可能になりました。

例えば時給1,000円の人が,月80時間の時間外労働をしたとして考えてみましょう。
<代替休暇を取らない場合>
1,000円×1.25×60時間=75,000円
1,000円×1.5×20時間=30,000円
<代替休暇を取る場合>
1,000円×1.25×60時間=75,000円
1,000円×1.25×20時間=25,000円
+5時間分の代替休暇(引上げ分25%の差額5,000円を時間給に換算)

ということになります。
ただし,代替休暇の単位は半日または1日とされていますので,端数の代替休暇の時間をどのように取得するか(他の有給休暇の時間数とくっつけて取得するなど)は,労使協定で定めておく必要があります。
また,代替休暇を与えることができる期間は,1ヶ月の法定時間外労働が60時間を超えた月から2ヶ月以内です。
posted by テッキー at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月22日

年次有給休暇の時季指定権・時季変更権

使用者は,労働者が請求する時季に年次有給休暇を与えなければなりません。これを時季指定権といいます。
ただし,「事業の正常な運営を妨げる事由」があれば,使用者はその時季を変更することができます。これを時季変更権といいます。
では,「事業の正常な運営を妨げる事由」とはどういうことかといいますと,当該労働者のその日(年次有給休暇を請求した日)の労働が,所属する事業場のその日の業務運営にとって必要不可欠であり,当該労働者が就労しないと事業場全体の業務が阻害される,という場合です。
ですから,単に繁忙期だからという理由などでは,時季変更権は認められません。
例えば,その日の重要な業務の責任者を任されていたり,一度に多くの労働者の年次有給休暇の請求が集中したり,どうしても人員の確保ができない場合などに限って認められます。

また,年次有給休暇を長期で請求する場合などは,使用者側の業務計画や他の労働者の休暇の事情などもありますので,使用者と事前調整をするのが望ましいと言えます。
それに対して労働者が全く応じなかったり,調整を行う余裕もないような請求をした場合には,使用者は時季変更権を行使できます。
posted by テッキー at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月26日

年次有給休暇の計画的付与

年次有給休暇は,労使協定を締結することで,付与日数のうち5日を除いた残りの日数については,使用者が取得する時期を指定することができます。ただし5日間については,本人が自由に取得できる日数として必ず残しておかなければなりません。
この制度は,職場への気兼ねなどから年次有給休暇を取りにくい傾向にある日本の状態を考慮し,職場で一斉に計画的に取得することが効果的であるとして作られたものです。
計画的付与を行う場合は,就業規則で以下のような項目を定めておく必要があります。
@対象者の範囲
A対象となる年次有給休暇の日数
B具体的な付与方法
C対象となる年次有給休暇を持たない人の扱い
D計画的付与日の変更
などです。

Bの具体的な付与方法の例としては,事業場全体で一斉に休暇を付与する方法(夏季休暇やGW休暇など),部や課などグループ別に交替で一斉に付与する方法,計画表を用いて個人ごとに年休日を決定する方法,などがあります。
Cの対象となる年次有給休暇を持たない人とは,計画的付与の期間に育児休業に入る予定であったり,退職する予定である人などが挙げられます。また,年次有給休暇の日数が少ないため対象とならない人には,特別年次有給休暇や休業手当を与えるなどの措置をする必要があります。
Dについては,何かやむを得ない事情が生じた場合や,変更しても業務に支障をきたさない場合などに限られます。
posted by テッキー at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月28日

欠勤

休暇・休業などと区別しなければならないのが「欠勤」です。
休暇・休業は,労働者が権利として請求することで(または事業主の都合で)労働義務が免除されるものですが,欠勤は労働者の責任による労働義務の不履行です。
欠勤に対して賃金を支払うか否かは,事業主が就業規則や給与規定で定めておかなければなりません。賃金をカットするのであれば,その具体的な方法・範囲なども決めておく必要があります。
さらに,無断欠勤などの場合は,不就労時間に対する賃金カットだけでなく,懲戒処分として減給されることもあります。ただし,これについても減給処分の程度や内容を就業規則で規定しておかなければなりません。
なお,減給の上限は,1回について平均賃金1日分の50%,1賃金支払期(通常1ヶ月)について賃金総額の10%です。

最初にお話しました通り,欠勤は労働者の責任による労働義務の不履行ですが,例えば風邪などで急遽当日に欠勤してしまった場合はどのような扱いになるのでしょうか。
労働者としてはその日の欠勤を年次有給休暇に振り替えたいところですが,年次有給休暇の事後申請が認められていない会社などでは,会社の判断で欠勤とされることもあります。しかし,それでは労働者に少し厳しいため,このような場合には年次有給休暇への事後振替を認める会社が多いのが現状です。しかしトラブルにならないためにも,「やむを得ない事情があると使用者が認めた場合に限り,欠勤を年次有給休暇に振り替えることができる」というように,就業規則などできちんと規定しておくのが望ましいでしょう。
posted by テッキー at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月03日

パートタイム労働者の年次有給休暇

正社員ではなくパートタイムの労働者であっても,@所定労働日数が週5日以上の労働者,A所定労働日数が年217日以上の労働者,B週4日以下でも所定労働時間が週30時間以上の労働者,のいずれかであれば,通常の労働者(正社員など)と同じ日数の年次有給休暇を取得する権利があります。
また上記の就業条件を満たしていなくても,パートタイム労働者については,以下の通り,雇用期間や所定労働日数に応じて年次有給休暇が付与されます。

<継続雇用期間> <週所定労働日数4日
             (or1年の所定労働日数169~216日)>
 6ヶ月              7日
 1年6ヶ月            8日
 2年6ヶ月            9日
 3年6ヶ月           10日
 4年6ヶ月           12日
 5年6ヶ月           13日
 6年6ヶ月以上        15日

<継続雇用期間> <週所定労働日数3日
             (or1年の所定労働日数121~168日)>
 6ヶ月              5日
 1年6ヶ月            6日
 2年6ヶ月            6日
 3年6ヶ月            8日
 4年6ヶ月            9日
 5年6ヶ月           10日
 6年6ヶ月以上        11日

<継続雇用期間> <週所定労働日数2日
             (or1年の所定労働日数73~120日)>
 6ヶ月              3日
 1年6ヶ月            4日
 2年6ヶ月            4日
 3年6ヶ月            5日
 4年6ヶ月            6日
 5年6ヶ月            6日
 6年6ヶ月以上         7日

<継続雇用期間> <週所定労働日数1日
             (or1年の所定労働日数48~72日)>
 6ヶ月              1日
 1年6ヶ月            2日
 2年6ヶ月            2日
 3年6ヶ月            2日
 4年6ヶ月            3日
 5年6ヶ月            3日
 6年6ヶ月以上         3日
posted by テッキー at 10:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。