2012年02月07日

民事保全の種類

民事保全の手続は,訴訟提起から強制執行に着手するまでの時間に,債務者が財産を使い果たしてしまったり,係争物を処分されてしまったり,工事の差し止めなどの場合,当初の段階から原状回復をするには大変な損害を生じさせてしまうなどの危険を未然に防ぐための「暫定的な措置」ですひらめき

債務名義を取るための本裁判を『本案(ほんあん)』といい,債務名義を基に行う執行を『本執行(ほんしっこう)』といいます手(パー)

民事保全には,以下の3種類がありまするんるん

1仮差押(かりさしおさえ)・・・将来,債務者に対しての金銭債権の回収を実現するために,債務者の財産を仮に差し押さえる手続です。目的の財産によって,不動産仮差押・債権仮差押・動産仮差押がありますグッド(上向き矢印)

2係争物に関する仮処分(かりしょぶん)・・・将来,債務者に対しての特定の物の引渡請求権などを実現するために,その係争物を訴訟中に処分させないようにするなどの手続です。不動産家についての処分禁止の仮処分や占有移転禁止の仮処分などがありますグッド(上向き矢印)

3仮の地位を定める仮処分・・・解雇無効を争う労働者が,訴訟中も今までどおりの地位を求めて毎月の給与の支払いを求めるなどの手続です。他に,法人の代表者の選任を争う場合の,代表者の職務執行停止を求めたり,日照権が侵害されていると工事の差し止めを求めて争う場合の,工事の禁止の仮処分など,様々なものがありますグッド(上向き矢印)
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2012年02月09日

民事保全の特徴

民事保全には,民事保全のハナシのとおり,1簡易迅速性2付随性3密行性4担保の提供をしなければならない,という特徴があります。

もう少し,詳しく見てみましょうるんるん

1簡易迅速性(緊急性)・・・民事保全手続は,債権者の権利の実現を図るためには,通常の手続(債務名義をとって強制執行するという手続)をとっている余裕はないという緊急な場合に行います。債権者は,自己の権利が正当であることを「証明」ではなく簡易に主張できる「疎明」することで足り,通常は,債務者の主張も聞かないまま手続が進められます手(パー)

2付随性・・・民事保全手続は,債権者の権利を仮に認めた上での手続なので,この権利を確定するために,本案訴訟での判断が必要になります。なので,民事保全手続後に,いつまで経っても債権者が本案の訴訟提起をしない場合は,債務者は本案の訴訟提起を一定期間内にするよう求めることができ(起訴命令),それでも本案提起がなされないと,保全取消の事由に該当することになりますexclamation

3密行性・・・民事保全手続は,債権者の権利の保全を図るための手続なので,債務者に事前に知られてしまうことで財産等を隠匿されないよう,密かに行われます手(グー)(ただし,仮の地位を定める仮処分の場合などは,債務者の審尋などを行うこともあり,該当しない場合があります。)

4担保の提供をしなければならない・・・必ずしも担保の提供が必要になるとは限りませんが,民事保全手続は,通常,債権者の主張のみで手続が進められるため,債権者の主張していた権利が後の本案で認められなかった場合など,民事保全手続をなされたことで債務者に不測の損害を与えることがあるかもしれません。その時のために,最初から保証をしておくのです手(パー)担保を立てる方法としては,供託支払保証委託契約の2つがありますひらめき
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2012年02月13日

民事保全申立の流れ

民事保全の特徴のでおハナシしたとおり,民事保全は緊急性を要する手続ですひらめき

スムーズに手続が進むよう,申立の際の流れをしっかりと理解しておきましょうグッド(上向き矢印)

1保全命令
@申立書を提出・・・本案の管轄裁判所または仮に差し押さえるべき物もしくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄します(専属管轄)。

A担保有料の決定・・・裁判所が,担保金額・立担保期間(いつまでに担保を提供しなければならないか。)を決定し,申立人(債権者)に連絡します。

B担保の提供・・・立担保期間内に,供託または支払保証委託契約(ボンド)の方法で担保を提供します。かわいい供託の場合は,保全の申立をした裁判所の所在地を管轄する供託所に供託します。

C担保を提供したことを裁判所に報告・・・供託の場合は,供託書コピーを提出(原本との照合が必要です。)。支払保証委託契約の場合は,契約締結の証明書を提出。

D保全命令の発令・・・仮差押決定,仮処分決定などが出るので,正本を受領します手(パー)※保全命令は,当事者に送達されなければならないので,債務者や第三債務者にも送達されますmail to

2保全執行⇒保全命令が出ただけでは,まだ完了していませんexclamation
☆不動産に対する仮差押や処分禁止の仮処分など・・・保全命令を出した裁判所が,登記所に嘱託をして「仮差押」等の登記がなされます決定

☆債権仮差押・・・仮差押の決定正本が第三債務者に送達されることで仮差押が執行されることになります決定

☆動産仮差押・・・申立人(債権者)が保全命令を受け取った日から2週間以内に保全執行はしなければならないので,決定正本を受け取ったらすぐに執行官宛に執行申立をして,執行官が動産の仮差押を行います決定

などがありまするんるん
posted by テッキー at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 民事保全(総論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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