フレックスタイム制は,労使協定を締結し,就業規則にその旨を記載しなければなりません。定める項目は以下の通りです。
・対象労働者の範囲
・清算期間(通常1ヶ月)
・清算期間における総所定労働時間
・標準となる1日の労働時間
・コアタイム(必ず労働しなければならない時間帯)を決める場合はその始業と終了時刻
・フレキシブルタイム(いつ出勤または退勤してもよい時間帯)を決める場合はその始業と終了時刻
例えば,このように定めることができます。
・対象者→本部に属する者
・清算期間→1ヶ月
・総所定労働時間→150時間
・1日の標準労働時間→9:00〜17:30(休憩12:00〜13:00)
・コアタイム→10:00〜12:00,13:00〜15:00
・フレキシブルタイム→7:00〜10:00,15:00〜20:00
また,フレックスタイム制は1日・1週間の法定時間規制を受けない変形労働時間制の一つなので,清算期間(通常1ヶ月)での総実労働時間に対してだけ法定労働時間規制がされます。
清算期間(1ヶ月)における法定労働時間の総枠の算出方法は,
「40時間×清算期間の歴日数÷7日」
(変形労働時間制の1ヶ月単位の算出方法と同じです)
例えば上記の例(清算期間1ヶ月,総所定労働時間150時間)で,実際は200時間働いたとします。
もし,この清算期間の1ヶ月が30日だとしたら,その法定労働時間は171時間25分なので21時間25分までは法内残業としての残業代を,それを超える28時間35分については,法外残業として25%割増の残業代を請求できます。