前回の事例では,債務者の預金を仮差押えしましたが,その後の流れもみましょう

〜現在の状況〜
債権者Aは,債務者BがC銀行に預けている預金100万円を仮差押えしている。
Aは,本案訴訟にて,「被告(B)は,原告(A)に対して,金100万円を支払え。」という勝訴判決を得た場合

BのC銀行預金100万円の仮差押を,本執行に移行します

そのためには,改めて,本執行の申立が必要です。⇒やり方は,
通常の強制執行(預金の差押)と同じです


差押債権目録には,「なお,本件は○○裁判所平成○年(ヨ)第○○号債権仮差押命令申立事件からの本執行移行である。」と,仮差押の本執行移行であることを明記します。

仮差押から本執行の申立までは,少なくとも本案訴訟の係属期間分の月日が経っていますので,仮差押の第三債務者であるC銀行は,その間に
供託をしているかもしれません。そうなると,C銀行にはもう差し押さえるべきBの財産は(新たに入金等が無い限り)ないので,C銀行を第三債務者とした本執行の申立は『空振り』になってしまいます。※本執行前に,第三債務者に一度,確認

することをおすすめします。

C銀行が「権利供託」していれば,本執行の申立は,第三債務者を国(供託官)として申し立てますが,債務名義が判決等であれば確定していることが必要となるでしょう。転付命令をつけて申立てます。

C銀行が「義務供託」していれば,配当(または弁済)手続係属の裁判所に債務名義を取得したことを上申して,差押債権者として手続に加わります