2012年03月22日

年次有給休暇の時季指定権・時季変更権

使用者は,労働者が請求する時季に年次有給休暇を与えなければなりません。これを時季指定権といいます。
ただし,「事業の正常な運営を妨げる事由」があれば,使用者はその時季を変更することができます。これを時季変更権といいます。
では,「事業の正常な運営を妨げる事由」とはどういうことかといいますと,当該労働者のその日(年次有給休暇を請求した日)の労働が,所属する事業場のその日の業務運営にとって必要不可欠であり,当該労働者が就労しないと事業場全体の業務が阻害される,という場合です。
ですから,単に繁忙期だからという理由などでは,時季変更権は認められません。
例えば,その日の重要な業務の責任者を任されていたり,一度に多くの労働者の年次有給休暇の請求が集中したり,どうしても人員の確保ができない場合などに限って認められます。

また,年次有給休暇を長期で請求する場合などは,使用者側の業務計画や他の労働者の休暇の事情などもありますので,使用者と事前調整をするのが望ましいと言えます。
それに対して労働者が全く応じなかったり,調整を行う余裕もないような請求をした場合には,使用者は時季変更権を行使できます。
posted by テッキー at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月21日

担保を取り戻すA【本案全面勝訴の場合】

本案で全面勝訴し確定すると,被保全権利は正当な権利だったということが証明されたことになるので,正当な権利じゃなかった場合に不測の損害を保証するための担保は立てておく必要がなくなります手(パー)

そこで,担保提供者は,担保の事由が消滅したこと(民事訴訟法第79条1項)による担保取消の申立をしまするんるん

1担保取消申立て。
※添付書類・・・全面勝訴の判決謄本,同判決の確定証明書(確定証明書は,判決確定後,本案記録のある裁判所に申請して発行してもらいます。印紙150円有料
※「供託(または契約)原因消滅証明」の申請も一緒にしておきます。
※印紙は不要です。郵券は必要です。

soon 担保取消決定ひらめき
※担保取消決定正本が相手方に送達されます。

〜1週間(即時抗告期間)経過〜

soon 担保取消決定の確定ひらめき

2供託(または契約)原因消滅証明書の受取り。(担保取消決定正本と同確定証明書でもO.K.)

3担保を取り戻します。
※供託の場合は,供託原因消滅証明書を基に,供託した供託所で取戻手続きをします。
※支払保証委託契約の場合は,契約原因消滅証明書を基に,契約した金融機関で契約終了の手続きをします。

⇒晴れて,担保が解消されます晴れ

posted by テッキー at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 民事保全(基礎編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月19日

代替休暇

平成22年の労働基準法改正により,1ヶ月の法定時間外労働が60時間を超える場合の割増率が,これまでの25%から50%へアップしました(ただし,中小企業においては当面の間猶予されます)。
これに伴い,引上げ分の割増賃金を支払う代わりに,年次有給休暇とは別の「代替休暇」を付与することが可能になりました。

例えば時給1,000円の人が,月80時間の時間外労働をしたとして考えてみましょう。
<代替休暇を取らない場合>
1,000円×1.25×60時間=75,000円
1,000円×1.5×20時間=30,000円
<代替休暇を取る場合>
1,000円×1.25×60時間=75,000円
1,000円×1.25×20時間=25,000円
+5時間分の代替休暇(引上げ分25%の差額5,000円を時間給に換算)

ということになります。
ただし,代替休暇の単位は半日または1日とされていますので,端数の代替休暇の時間をどのように取得するか(他の有給休暇の時間数とくっつけて取得するなど)は,労使協定で定めておく必要があります。
また,代替休暇を与えることができる期間は,1ヶ月の法定時間外労働が60時間を超えた月から2ヶ月以内です。
posted by テッキー at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 休日・年次有給休暇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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