休暇・休業などと区別しなければならないのが「欠勤」です。
休暇・休業は,労働者が権利として請求することで(または事業主の都合で)労働義務が免除されるものですが,欠勤は
労働者の責任による労働義務の不履行です。
欠勤に対して賃金を支払うか否かは,事業主が就業規則や給与規定で定めておかなければなりません。賃金をカットするのであれば,その具体的な方法・範囲なども決めておく必要があります。
さらに,無断欠勤などの場合は,不就労時間に対する賃金カットだけでなく,懲戒処分として減給されることもあります。ただし,これについても減給処分の程度や内容を就業規則で規定しておかなければなりません。
なお,減給の上限は,1回について平均賃金1日分の50%,1賃金支払期(通常1ヶ月)について賃金総額の10%です。
最初にお話しました通り,欠勤は労働者の責任による労働義務の不履行ですが,例えば風邪などで急遽当日に欠勤してしまった場合はどのような扱いになるのでしょうか。
労働者としてはその日の欠勤を年次有給休暇に振り替えたいところですが,年次有給休暇の事後申請が認められていない会社などでは,会社の判断で欠勤とされることもあります。しかし,それでは労働者に少し厳しいため,このような場合には年次有給休暇への事後振替を認める会社が多いのが現状です。しかしトラブルにならないためにも,「やむを得ない事情があると使用者が認めた場合に限り,欠勤を年次有給休暇に振り替えることができる」というように,就業規則などできちんと規定しておくのが望ましいでしょう。