
被告は,「この判決は間違ってるから控訴する!」と控訴して訴訟は続いたとしても,仮執行宣言(「この判決は仮に執行することができる。」という主文があるもの。)が付いているので,強制執行はされてしまいます

そこで,控訴に伴って,強制執行停止の申立を行うことで,強制執行を停止させましょう

強制執行停止の申立は,控訴審の判決が出るまでの間は,いつでも申立ができます。
ただし,強制執行された後だと意味がなくなるので


控訴を提起した申立人(=第一審の「被告」=控訴審の「控訴人」=強制執行をされた場合は「債務者」)は,
強制執行停止の申立書に,「申立の理由」として,原判決が取り消されたり変更されたりする可能性があることを記載し,これを疎明する資料を添付して,申し立てます。(当事者が法人の場合は資格証明書が,代理人が行う場合は委任状も添付します。)
印紙代は,500円です

申立先は,訴訟記録がある裁判所です。通常は,早めに申立をするので,控訴状と強制執行停止の申立書は,原審(第一審)の裁判所に提出するケースが多いでしょう

裁判所が強制執行を停止させる理由があるとし,「担保が必要」と判断した場合は,その担保金額を,その裁判所の管轄の供託所に供託します

担保を積んだことを裁判所に連絡する(通常,供託書を提出します。)と,裁判所は強制執行停止決定を出します

債権者が,まだ執行文付与の申立をしていない場合は,訴訟記録のある裁判所に停止決定正本を提出すれば,債権者が執行文付与の申立をしても執行文は付与されません

もし,債権者が既に強制執行の申立をしている場合は,債権者が強制執行の申立を行った裁判所に,停止決定正本を提出することで,強制執行は停止します
