2012年01月31日

休む権利

健康に働くためには,業務による疲労やストレスを蓄積しないよう,病気になる前に,リフレッシュするために休むことが必要です。
そのために労働者が自らできるのは,年次有給休暇の取得です。
年次有給休暇は自由に取得できますので,自分が休みたい日を前もって会社に報告しましょう。
また,使用者においては,労働者に対して,業務遂行により心身の健康を損なうことがないよう,注意しなければなりません(人員増・仕事の期限延長・担当業務の変更など)。

みなさんの中には,毎日残業でくたくたになっている方もいらっしゃるかもしれませんが,そもそも労働者は,法定労働時間以上に働く義務はありません。
36協定による残業や休日出勤は,「臨時的・一時的な例外」であって,労働基準法では1日8時間,週40時間の労働を原則としています。
また,36協定で定める延長時間は「月45時間かつ年360時間」を上限としており,つまり年2,440時間(40時間×52週+360時間)以上の労働はあり得ないのです(みなし時間制は除く)。
もし,これを超えていれば立派な労働基準法違反ですので,ただちに労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。
労働時間に関する権利を理解し,これらを適切に行使することが健康確保,過労死などの予防につながります。
posted by テッキー at 11:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働時間(基礎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月30日

債権執行【配当要求】

差押をしようとする債務者の債権が既に別の債権者によって差押えられている場合,競合することを承知で債権差押の申立をする以外に,配当要求の申立をするという方法がありますひらめき

配当要求をすることのメリットとしては,申立費用が安い(印紙代:500円。債権差押の申立は4000円。)こと,申立を裁判所が受理したときに効力が発生することが挙げられますグッド(上向き矢印)
仮に,1月30日に,債権差押の申立を行い,第三債務者に2月2日に差押命令が送達されたとします。
もし,2月1日に,差押えられた債権について,第三債務者が供託してしまった場合は,その後(2月2日)に差押命令が届いたときには,「空振り(もう差押える債権がない)」ということになってしまいますもうやだ〜(悲しい顔)
ところが,1月30日に配当要求の申立を行って,裁判所に受理された場合は,この時点で配当要求の効力が発生するので,2月1日に供託された債権について,配当手続に加入することができ,先に差押をしていた債権者との按分割合で配当を受けることができることになりますわーい(嬉しい顔)

配当要求をすることができるのは,1執行力のある債務名義の正本を有する債権者と,2文書により先取特権を有することを証明した債権者に限られています手(パー)

配当要求の申立は,以下の時までに裁判所に受理されなければ,配当に加入することはできません。(配当要求の終期
1.第三債務者が,差押えられた債権につき,供託をした時
2.取立訴訟の訴状が第三債務者に送達された時
3.売却命令により執行官が売得金の交付を受けた時
4.動産引渡請求権の差押えの場合は,執行官がその動産の引渡しを受けた時

配当要求の申立は,既になされている差押命令を発令した執行裁判所に,配当要求書を提出して行います。
配当要求書が無事に受理されると,執行裁判所は,「配当要求があった旨の通告書」を第三債務者に送達しますmail to

「配当要求があった旨の通告書」を,第三債務者が受け取ると,第三債務者は,差押えが競合した場合同様,義務供託をしなければなりませんexclamation


posted by テッキー at 15:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 強制執行(中級編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月27日

みなし労働時間制の事例【裁量労働】

労働時間の算定にあたって,裁量性の高い労働に従事している者については,実労働時間でなく,あらかじめ定められた一定時間(みなし時間)働いたものとみなす制度です。
裁量労働は,「専門職」と「企画職」の2つに分けられます。
専門の裁量労働については,例えば研究開発職・デザイナー・弁護士など,業務遂行の手段や時間配分に関して使用者が具体的な指示をするのが困難な職種を対象とし,労使協定の締結が必要です。
一方,企画職の裁量労働は,経営企画・人事労務など,事業運営に関する企画・立案・調査・分析の業務が対象となります。
また,対象者は「適切に業務を遂行するための知識・経験を有する者」に限られており,労使委員会の5分の4以上の多数による決議と届出が必要とされ,さらに労働者本人の個別具体的な同意が必要なので,専門職よりも厳しい要件となっています。

ただし,いずれにしても,深夜労働や休日労働については実労働時間で算定しなければなりませんし,みなし時間が法定労働時間(8時間)を超えていれば,当然に時間外労働は発生します。
posted by テッキー at 17:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 残業代の計算(上級編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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