2011年12月19日

月給制の事例U

今回は,月給制の時間給について実例を挙げて求めてみます。

・基本給20万円,通勤手当1万円,役職手当2万円
・9:00〜17:00(休憩1時間)実働7時間
・休日→土日祝,お盆,年末年始

上記のような労働条件の場合,「月額給与÷月平均所定労働時間」の式をもとに月給を時間給に換算してみましょう。

まず基準となる月額給与は,基本給+役職手当=22万円(月額給与)です。

次に月平均所定労働時間を求めるために,1年間の労働日数を計算します。
これはその年によって異なりますので,少し面倒ですが就業規則に従って休日を数えましょう。
ここでは仮に,
365日―124日(年間休日)=241日(1年間の労働日数)
とします。

次に,1年間の所定労働時間数について求めると,
241日(1年間の労働日数)×7時間(1日の所定労働時間数)=1,687時間(1年間の所定労働時間数)

これを12ヶ月で割ると,
1,687時間(1年間の所定労働時間数)÷12ヶ月=140.583333時間(月平均所定労働時間数)
となり,端数は切り捨てもしくはそのまま処理します(労働者の不利にならないよう,切り上げはできません)。

ここでは切り捨てをするとして,140時間(月平均所定労働時間)となり,

22万円(月額給与)÷140時間(月平均所定労働時間)=1571.428571円(時間給)

50銭未満の端数は切り捨て,それ以上を1円に切り上げますので1,571円時間給ということになります。
あとの計算は,基礎編初級編でお話した通りです。
posted by テッキー at 11:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 残業代の計算(中級編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月16日

債権執行【給与の差押え】

預金の差押えと同じ事例で,今回は債務者の給与(賞与・退職金を含む。)を差し押さえてみましょう晴れ

【事例】 『債権者A(自然人)は,債務者B(自然人)に対して,「100万円を支払え!」という確定判決(債務名義)を取得したが,Bは全く支払いをしない。』という場合ひらめき
※債権者:A,債務者:B,第三債務者:Bが勤務するC会社。
※代理人が申立てるときは,添付書類に委任状を追加して,当事者目録の記載に代理人の表示を追加します。

1必要書類の収集
 ・執行力ある債務名義の正本
 ・債務名義の債務者への送達証明書
 ・C会社の資格証明書
 
2申立書の作成
 ・第三債務者に対しての陳述催告も,忘れずにします手(グー)
 ・当事者目録(←C会社の住所は本店の住所を記載しますが,給与支払の担当部署が別にある場合は,送達場所をその担当部署にします。)
 ・請求債権目録
 ・差押債権目録(←給与・賞与・退職金など,どのような順番で差し押さえるか記載します。ただし,差押禁止債権や立替金(通勤手当など)は除きます。)

3申立て7取立届の提出は,預金の差押えと同じです決定

例えば,今月の給与・賞与支払前に差押をした場合ひらめき
控除すべき税金や社会保険料等を控除した12月給与残額が20万円だとすると,差押えできる金額は,その4分の1の5万円有料
控除すべき税金や社会保険料等を控除した12月賞与残額が30万円だとすると,差押えできる金額は,その4分の1の7万5千円有料

この12月は,合計12万5千円差し押さえができることになります手(パー)

来月1月以降に,残り87万5千円(請求債権金額100万円−今月回収金額12万5千円)の差押が継続的にされていくことになりますグッド(上向き矢印)

かわいいただし,債務者が退職されると,差押えるべき給与支払請求権もなくなり,回収はできなくなります。(退職金があれば,退職後に退職金の差押えはできます。)

このように,全額回収できるに越したことはないですが,差押債権がなかったり少なかったり,差押が競合したり・・・とイレギュラーなことも多いのですたらーっ(汗)

差押が競合した場合のおハナシは,中級編にてるんるん
posted by テッキー at 15:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 強制執行(初級編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月15日

月給制の事例T

月給制の残業代を計算する場合には,まず月給を時間給に換算しなければなりません。
時間給は,「月額給与÷月平均所定労働時間」という方法で求めます。

@まず月額給与を求めますが,残業代計算においては,以下の手当を除いた金額を月額給与として計算します。
・家族手当
・通勤手当
・別居手当
・子女教育手当
・住宅手当
・臨時に支払われた賃金
・1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

A次に,月平均所定労働時間は以下の順序で求めます。
・1年間の労働日数を求める
=365日(閏年は366日)―1年間の休日の合計日数
     ↓
・年間の所定労働時間数を求める
=1年間の労働日数×1日の所定労働時間数
     ↓
・1ヶ月の所定労働時間数を計算
=年間の所定労働時間数÷12(ヶ月)

@とAが算出できたら,@(月額給与)÷A(月平均所定労働時間)=時間給を求めることができます。

次回は,具体的な例を挙げて実際に時間給を計算してみます。
posted by テッキー at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 残業代の計算(中級編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。